今日の朝刊に「消える 手作り漬物販売」という記事があった*1。記事によれば「食品衛生法」*2の改正で、6月から漬物製造の営業許可が新たに必要となるが、衛生設備への投資が困難などの理由で、仕込みを断念せざるを得ない生産者が続出しているとのこと。京都でも高齢の農家を中心に「漬物」の販売を諦めるケースが見られ、昔ながらの家庭の味が流通の危機に瀕しているようだ。「届け出制」だった「漬物製造」の営業許可実績は、以下のとおり。
・1,466件(概算):2020年8月現在
→・187件(営業許可取得):2024年5月28日現在
【京都市】
・380件:2021年5月時点
→・135件(営業許可取得):2024年3月末時点
「漬物」の衛生管理が厳格された契機は、過去に発生した「集団食中毒」によるものであることも報じている。
「漬物」は家庭それぞれの味がある。販売のためのハードルが上がることでそれらが失われることは残念なことではあるが、「人間の口」に入るものが対象である以上、安全性が確保されなければならないことは言うまでもない。もし、安全管理が整った設備を、例えば、地域の「公民館」のような場所に設備を整え、当該施設の共同利用で漬物製造を行うことで条件がクリアできたりするのなら、ひとつの解決策になり得るのかななんて思ったりする。「食べる」ことだけではなく、「作り、味を伝える」ことも文化的に有意義なことだと思うから。
最近、お漬物に興味が湧いてきた私としては、「何とか良い方向に流れてくれれば」、と切に願うところである。